Author Archives: hidakasemi

エネルギーマネジメントシステムにおける需要家研究の重要性について

分散協調型エネルギー管理システムは、提供される技術および制度を、需要家が理解し、受け入れ、有効活用しなければ、真の社会的・経済的な価値を 発揮できないと考えられる。そのためには、分散協調型エネルギー管理システムの実装の現場において、需要家の行動変容に影響を与える要因に関する 基礎的な理解が必要である。この事を踏まえて、数理科学的手法、行動経済学などからの知見に基づき、需要家から得られるデータの分析と需要家への情報提供を通じて、需要家の行動変容に影響を与える要因 に関する基礎的な知見を蓄積する事を目的として研究を行っている。 さらにこの研究を通じて、地域社会におけるイノベーションの創造も目指す。

2016年度 夏期合宿(2016.9.3-4)

日高研究室では3回目となる合宿を、緑豊かな箱根で開催しました。今回はOBの東さんも参加され、各自自分の研究の発表を行い、賑やかで、有意義な合宿となりました。
日時:9月3日(土) 12:00 ~ 9月4日(日)12:00
場所:箱根 強羅静雲荘
タイムテーブル:
9/3(土)
13:00-13:50 :荒木さん
13:50-14:40:秋山さん
15:00-15:50:木下さん
15:50-16:40:斉さん
17:00-17:50:仲里さん
9/4(日)
9:30-9:50:津野さん&松永さん
9:50-10:40:板倉さん
10:50-11:40: 仲條さん
研究報告

研究状況報告(発表者:荒木さん)

「エンタープライズアプリケーションとWebサービスにおけるソフトウェア開発組織の比較研究」
前回の発表後、さる実務家の方と研究テーマについて会話させていただく機会があり、そのフィードバックを行った。最大のポイントは、エンタープライズアプリケーションの生産性が向上しない理由は「生産性の向上のために変化することを望んでいない人が企業内にはたくさんいること」「向上のために誤ったアプローチを取って、さらに状況を悪くしたこと」があるという指摘を受けたという点である。合宿で多くのメンバーが発表する日でもあったので議論に多くの時間は割けなかったが、そのような状況が信じがたいというコメント、いや逆にリアリティがあるというコメント、もしそうだとしたらどうやってそれを評価すべきなのかというコメントなど、多くの意見をいただいた。

研究状況報告(発表者:仲里さん)

研究テーマ仮決めに向けて、問題意識と方向性について議論した。製造業のコモディティ・トラップから脱却、オープンイノベーションによるサービス価値向上を問題意識として発表した。メンバーからは問題意識をより具体化する必要性を指摘いただいた。また、日高教授からは、所属企業の分野特有の問題ではなく、製造業に普遍的に存在する問題の設定を意識するようにアドバイスいただいた。

研究状況報告(発表者:板倉さん)

「ID/アクセス管理関連投資における意思決定プロセスに関する事例分析」をテーマに発表を行った。前回の発表の反省点の改善として、テーマを「セキュリティ」から「ID/アクセス管理」に絞りこんだものの、なぜそれに絞りこむべきかの論理的な説明が弱かった点で改善が裏目に出てしまった。その他、以下のような指摘をいただいた。

  • 企業の様々な意思決定の中でなぜセキュリティに着目する必要があるのか。
  • 企業規模によっても事情が異なるのではないか。
  • まずは企業のセキュリティ担当者へインタビューしてはどうか。

残り1年間で観察可能なテーマへの絞りこみの重要性を感じている。まずは企業のセキュリティ担当者へインタビューを行い、実際の現場の方のご意見も参考に糸口を見つけていきたい。

研究状況報告(発表者:仲條さん)

専門力の向上施策-知識の充実-に関する発表
プロジェクトレポートのテーマについて説明しました。
※日高先生からのご指摘
1.行動変容の測定には時間がかかるので範囲を絞った方が良い。
2.研究範囲は狭めても価値が落ちるわけではない、深堀し正しさを証明した方がよい。
3.教育工学については川本さんにご指導を仰ぐとよい。

研究状況報告(発表者:秋山さん)

研究テーマ案として「損害保険事業における業務プロセスの革新」を発表した。損害保険事業の歴史的背景、業務プロセスの複雑化につながってきた合従連衡、マーケットの今後の展望、それらを踏まえた業務プロセス見直しの方向性について説明。 出席メンバーからは「どう調査するのか。」「どれだけコスト削減し、それは社員と代理店の二重構造の解消に寄与するのか。」「他の業界の事例と比較してはどうか。」など、日高先生からも「企業の個別性が強いテーマになってしまわないか?ただし、個別テーマから汎用化できる場合もある。」「保険会社のオポチュニティについて検討してみても良いのではないか。」の意見を頂いた。
他:木下さん、斉さん
現地にて
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2016年度 第14回ゼミ(2016.8.6)

研究状況報告(発表者:荒木さん)

「エンタープライズアプリケーションとWebサービスにおけるソフトウェア開発組織の比較研究」
特定の企業の業務要件に合わせて開発される一品もののアプリケーションソフトウェアである「エンタープライズアプリケーション」の開発については多様な問題が指摘されているが、実のところその多くは、エンタープライズアプリケーションの性質に起因しているとは言えない。Webサービス企業にだって似たような問題はあるのだが、実際にはエンタープライズ系開発者がWebサービス企業へのキャリアの転向を行うケースが増えている。開発者を転向させる要素は何なのか、ということに関する仮説と検証方法の案について提案した。仮説の中で出てきた「集団的な開発」「個人的な開発」という表現への指摘が多くあった。また、多くの考慮すべき要素が漏れているのではないかという指摘も非常に多かった。先生からは有識者との対話が必要という指摘もあった。

研究状況報告(発表者:板倉さん)

「情報セキュリティ投資における意思決定プロセスに関する事例分析」をテーマに発表を行った。指摘いただいた中での重要なポイントとして、網羅的な調査が今だ不十分であるということが挙げられる。そのため、抽象的な議論にとどまっており、解明すべき点が不明瞭となっている。感覚として感じている問題点をいかに論理的に伝えるかの難しさを感じている。

2016年度 第12-13回ゼミ(2016.7.16&23)

研究状況報告(発表者:MTさん)

プロジェクトレポートの最終発表を7/24に控え、研究結果を端的にまとめて成果を分かりやすく伝えるようにスライドを修正して発表練習を行った。特に結果から言えることと成果として言うべきこととの論理に留意して、当初研究のテーマとして掲げて明らかにしたいと思った点について決着を付けるつもりでメッセージを出すことに注力した。

研究状況報告(発表者:TAさん)

coming soon!!

2016年度 第11回ゼミ(2016.7.9)

発表者:AT&NH&NS&SKさん

M1最初のエクササイズとして、過去のレポートを5本読んで「よいプロジェクトレポートとは何か」について、各自が考察した内容を発表した。その上で、「プロジェクトレポートガイドライン」を参考にしながらプロジェクトレポートの評価基準についての議論を行った。

レポートを書く際には誰かに読んでもらうことを想定して書くこと。そうすれば論理立てて考えることになるし、しっかり調べようという気持ちになる。」とアドバイスいただいた。

2016年度 第10回ゼミ(2016.7.2)

研究状況報告(発表者:TAさん)

組織内専門人材の越境学習効果に関する検討と題して発表を行った。
主に研究の背景・理論的ポジショニングや用語の定義について議論をし、組織学習の分類の部分で数々のご指摘をいただいた。次回発表時には、再度ポジショニングと分類を明らかにすることとする。
また、プロジェクトレポート発表会までの最後の発表となるため、アンケートデータの分析結果と考察についても発表をする予定である。

研究状況報告(発表者:KGさん)
前回に引き続き「マーケティング」をテーマにし、日系企業と外資系企業を比較した事例研究をベースにして、研究の深堀したいポイントなどについて発表した。皆様から研究対象としての「マーケティング」そのものの定義が不明確である点や、研究対象、目的を絞り、問題意識を明確にするべき等のご意見をいただき、今後改善するべき多くの課題を認識させられた。

2016年度 第9回ゼミ(2016.6.18)

研究状況報告(発表者:Mさん)

収集した事例から、分類やサービスの抽出を行っているが、分類や抽出の基準を明示せず、後で基準に関する分析をしていると指摘を受けた。先行研究等から先ず基準を明示し、それに基づいて分析を行い、その結果が分類した事例や抽出したサービスになるような順序に変更する。
また論点を絞り込み、主張と論拠を明確にして、発表内容を分かりやすくすることが必要。

2016年度 第3回サービス科学研究会B(2016.6.25)

講演
講師:(株)富士通研究所 丸山文宏先生
テーマ:「サービスに共通の切り口によるアプローチ~サービス学の確立に向けて~」
研究分野
現在は富士通研究所でAIに関する仕事に従事しているが、サービス学への関心は昔からある。サービス科学における主な研究分野は、サービスイノベーションのメカニズムとサービスプロセス分析である。
研究アプローチ
業種や業態を超えて「サービスはひとつ」であるという概念のもとに、スペクトル(例えば、下記のようにマインドと仕掛けのスペクトル)の中にそれぞれのサービスを位置付けるアプローチ、および、サービスの共通要素(例えば、下記のようにサービスのプロセス)に着目して体系的な分析および知識の共有・再利用を可能にするアプローチを取っている。
研究内容
1.サービスをスタッフのマインドの部分とそれをサポートする仕掛けの部分に分解し、これをマインドと仕掛けのスペクトルとして捉える。「成功しているサービスでは,スタッフのマインドを刺激する施策とサービスを支える仕掛けを強化する施策を繰り返し、スイッチバック式にサービスのレベルアップ(イノベーション)が実現している」という仮説を立て、成功しているサービス企業(加賀屋および良品計画)が行ってきた施策を精査することにより検証した。
2.サービスのプロセスを一般化し(参考:MIT Process Handbook)、以下の特徴を持つ「一般化サービスプロセス(Generalized Service Process; GSP)」を定義する。
(a) 顧客側のプロセスと提供者側のプロセスから成り、
(b) 両者のプロセスは文脈自由文法で記述され、
(c) 両者のプロセスの間には接着する部分があり、
(d) 個々のサービスのプロセスは一般化サービスプロセスの文法を特殊化した部分文法で記述される。
これにより、①サービスのプロセス分析ができる。②他のサービスの施策、評価基準、知見、ノウハウ、アイデアを共有・再利用できる。③新規サービスのプロセスデザインに利用できる。

2016年度 第8回ゼミ(2016.6.11)

研究状況報告(発表者:TAさん)

プロボノ活動に参加する知識労働者の実態と労働意識調査と題して研究概要と研究手法について発表を実施した。主に下記二点に関するコメントをいただいた。

次回までに研究全体のフレームワークを再考することとする。
ただし、アンケート内容に関しては、問題ないということで、平行してデータ取得を進めることとする。
・自主的にプロボノ活動を行う人と会社からの派遣で来ている人の 差の考慮
研究内容とシニア人材の有効活用という問題意識の整合性の不一致
研究状況報告(発表者:AYさん)

ソフトウェア産業の各セグメントにおける開発手法に関する比較研究」
前回(5月)の報告に不足していた点として、研究する上での立場を明確にするために、こういう研究をしている上での立場と、世の中がどうなるべきと考えているかについて考えを述べた(その内容は申し訳ありませんが当面は非公開とさせていただきます)。また、前回最も議論を呼んだ統計情報、Web系企業のエンジニアの少なさについての追加調査についても報告を行った。
この日も多くの意見をいただき、時間を大幅に超過して活発な議論になった。先生をはじめ多くの方から指摘されたのは、抽象的な概念として「Web系企業」という対象を検討しているが、未だにその定義がはっきりしておらず、このまま業界を抽象的な議論で取り扱うことに限界が来ており、特定の企業を対象に比較調査する方向にしないと研究としてまとめるのはなかなか難しいのではないかということであった。また、前提となる価値観はそれ自体が議論を呼ぶものであり、相当慎重に論理を組み立てて主張しないといけないという指摘もあった。先生からはプロジェクトレポートの課題として絞り込む作業がそろそろ必要という指摘もいただいた。