Category Archives: 日高ゼミ

2021年度 第10回ゼミ(2021.6.12)

【研究状況報告:落合さん】

インタビュー結果の分析方法および今後のスケジュールについてのアドバイスをいただいた。
当初案
先行研究(Patrick Spieth 2013 Business Model Innovation in the aviation indeustory )より
①インタビュー結果と文献分析に基づく我々の理解
②我々の命題とフレームワークの証明の引用
③相互関係分析と変数指向のコンテンツ分析
④現存する文献へのリンク
⑤既存の文献との関連性と差別化
アドバイス
・③~⑤については広範な先行研究の網羅が必要であり、かつAviation分野を超えたビジネスモデルの研究と知識が必要となる。
そこまで範囲を広げるのは困難であり、かつ、今回の研究の目的に沿った分析とは言えない。
・インタビューデータをとおして判明した「事実」と「意見・戦略」についての理解をさらに深堀りをすることが重要。
分析・考察として「事実」「戦略」の裏付けを丁寧にとっていくことが望まれる。

PR発表会・審査会の日程を見ながらPR本文の執筆日程含め、スケジューリングしていくこと。

【研究状況報告:原口さん】

リサーチフレームワークとアンケートの設計の報告を行い、下記のようなアドバイスをいただいた。
RQの設定について
・BtoB企業によるアントレプレナーシップの実例が幾つかあることを示しながらRQにつながる背景の説明をしていくと良い。
RQ1に関する調査について
・イベントスタディについて、先行研究結果と異なる結果になったことに関する考察が欲しい。
SNS等の影響でBtoCブランドの形成プロセスに変化が起こっている可能性もある。
なぜGAFAのような企業はスポンサーしていないのか、過去スポンサーをしていた企業はなぜやめたのか、といった逆の立場からの質問にも本質的な答えがあるかもしれない。
アンケートについて
・先行研究と比較するためにも、可能ならばゼロから作るよりも似た分野のアンケートを修正して作成した方が良い。
・政府や行政との関係構築は動機の一つとなっている可能性が高いので項目にも入れた方が良い。

2021年度 第9回ゼミ(2021.6.5)

【研究状況報告:春山さん】

暫定の研究タイトル『推薦システムに対するユーザの明示的なフィードバック情報の提供意欲(WTPD) に関する考察』に対して、なぜ明示的なフィードバックの取得が推薦システムの開発に必要なのかに関して、この主張を支持する理由を挙げてそれらに対するディスカッションをした。それらに対してご指導・ご指摘いただいた重点は以下の通りである:

  • アイテム・ユーザー行列のスパース性の改善につながるポイントに対しては、スパース性が高い行列では、明示的なフィードバックが増大してもスパース性の改善に綱らがない可能性があることを議論。スパース性を1つの理由として上げるためには、スパース性を定量化をした上で明示的なフィードバックの増大が予測精度にどのような影響を持つのかを調べる必要があるとご指導をいただいた。
  • 暗示的なフィードバックの特性としてネガティブな評価に対するデータを得られない、と記載していた点に関して行動データでもネガティブな評価を表している場合が存在するので、表現に注意することを留意。
  • 明示的なフィードバックは場面によって中立性が担保されないことに関しては、推薦システムの設計や開発に与える影響を考慮する必要性があることをディスカッション。

次回は上記のことを踏まえて、この点に関する論拠を固めることとする。

2021年度 第8回ゼミ(2021.5.29)

【研究状況報告:伊藤さん】

半導体装置市場における各社のサービス事業の取組として、半近年における導体装置市場売上の8割を占めている5社に対してサービス事業への取組内容を事前調査として発表させていただきました。半導体5社の内4社が半導体製造プロセスへ関与する方向でのサービス発展を進めており、又売り上げを伸ばしている。半導体メーカーの生産工程に食い込むことにより、半導体メーカーが抱えるハード面の問題を含め、装置メーカーがサポートすることにより、今後の今後の半導体装置メーカーにおけるサービス事業発展、昨今の半導体不足に対する気づきになれるのではないか?として、研究の目的を半導体製造装置メーカーのサービス事業向上は半導体市場の生産性向上にどのような影響をあたえるかと定め経緯を発表した。
日高先生およびゼミの皆様よりいただいたアドバイスは以下の通り
・研究を進めるにあたり、半導体のロードマップの整理やサービス事業がなぜ向上しなければいけないか?など、事実関係の整理をしっかりと行う必要がある。
・サービスなどを一般化すれば、はたして半導体の生産性が上がるのか?そのあたりの関係性をしっかりと見極めなければならなない。議論に有効なアウトプット<==>インプットの関係性など業界の動向をしっかりと把握する必要がある。
・半導体装置メーカー、半導体メーカーの力関係や、それぞれのコンピテンシーを明確にし、分析する必要がある。
・半導体製造が不足している現状に対して、うまくいっていない原因はそもそも何なのか?本当にサービスが原因に関わっているのか?組織内の力関係はどうなっているのか?などしっかりとした情報集めが必要になる。
以上のアドバイスを踏まえて、研究の設計を行うべく、研究フレームワーク作成中心に今後進めていきます。

2021年度 第7回ゼミ(2021.5.22)

【研究状況報告:落合さん】

プロジェクトレポート「Aviation After Service Business(MROビジネス)」について
「インタビュー記録」(4人分)および現段階での関連仮説/得られた知見を紹介した。
ゼミ中にいただいたアドバイスは下記のとおり。
・得られた(インタビュー)データをどのように分析するかが重要である。語られたデータが「事実」なのか「意見・意思」かを明確化すること。「意見・意思」については事実に基づいた論理的なものであるか見極めること。
・客観性と主観性の違いを頭に置きながらデータコーディングをすすめること。
(例)日本におけるAviation Businessが発展しない理由のひとつに「英語力」がありうるという考え方について…客観的事実かインタビュイーの個人的見解か等を見定める 等
・複数インタビューで、同一の意見から見いだせること、異なる意見についてはその背景を考えていくことがさらに深い考察につながる。
・仮説検証の妥当性について、定性分析における立証検証は定量分析におけるものと異なり、最終的には研究者の判断となるが、その判断には論理性と納得性が必要である。
・MROビジネスが航空機ビジネス(航空輸送産業)に与える影響およびMROビジネスの役割を明示すること。この必要度が日本でのビジネス方向性を見定める指針となりうる。
・現段階では
-仮説2「コスト競争力」仮説3「整備生産力」が発展のためのキーとなりうるとの見通しがあるが、これらを「テクノロジー」の深化によって解決する方向の議論があるかどうかを盛り込むとよい。
-また仮説2「コスト競争力」については、ある意味では低労働コストを原資とする「格差ビジネス」という面でとらえることができる。STGs経営が求めれる現代・将来においてこの構造がどのような見通しとなるか、(少なくとも)考察等に加えていくことも考慮することが望まれる。

その他個別内容について
・本議論の前提としてMROビジネスの航空機整備(ライン・点検整備)、部品整備(エンジン、コンポーネント)の分類および今回のスコープが点検整備(格納庫整備)であることを明示すること。
・ビジネスに対する国家政策の方向性、支援の重要性が想定される。このあたりの調査をどのようにすすめるか検討すること。
・引き続き残ったインタビューをすすめながら、個々インタビュイーが仮説に対してどのようなスタンスでいるかの表の作成をすすめていくこと。

2021年度 第6回ゼミ(2021.5.15)

【研究状況報告:原口さん】

研究の目的とRQの設定、およびスポンサーシップに関する市場からの期待についてのイベントスタディを用いた分析結果を報告した
市場のパーセプションと内部の動機は別物なので、それが論理的にどのようにつながるか、リサーチの組み立て方をしっかり検討する必要があるとのご指導をいただいた。

また、今後計画するインタビューについては、
・事前に情報収集した上で、鍵となるデシジョンメーカーや経緯を知る人にアプローチするようにすると良い
・社内の体制変更や会社としてR&Dにどのような投資を行なったかといった事実に基づく確認ができると良い
とのアドバイスをいただいた。

次回に向けて、研究目的の意義とRQの妥当性を再度見直していくとともに、実施可能な研究方法の検討を進めていく。

2021年度 第5回ゼミ(2021.5.8)

【研究状況報告:春山さん】

研究テーマを改めて現時点での計画・進捗に関する発表を行なった。暫定のタイトルを『推薦システムに対するユーザの明示的なフィードバック情報の提供意欲(WTPD) に関する考察』として、主に研究目的や研究手法に関する考えをまとめた。ご指導・ご指摘いただいた重点は以下の通り:

  • 明示的なフィードバック情報の提供意欲に関する研究を進める上で、獲得のコストが比較的に高い明示的なデータは推薦システムの予測に必然なのかを議論。
  • 研究手法の議論では、行動の観察をする上でエスノグラフィーという研究手法も存在し、アンケート調査では意欲を計れても、実際の行動までには示唆が得られない可能性があることを議論。
  • アンケート調査の構成概念や変数に対する議論、どのような条件・前提で対象者に回答してもらうか等も今後検討すべきことを議論。
  • 先行研究などの知見を参考にするとともに懐疑的な意識でリサーチデザインを進め、研究のフィージビリティーや前提にある概念や考えが正しいかどうかの事実確認を念頭に置きながら柔軟に軌道修正できる心構えで研究を進めることの重要性を確認。

次回は上記のことを踏まえて、研究計画の具体化を続ける事とする。

2021年度 第4回ゼミ(2021.5.1)

【研究状況報告:落合さん】

Project Reportテーマ「航空機After Service Business」について
前回に引き続きエアライン/MROへのインタビューのまとめとコーディング結果について紹介/説明した。
また、コーディングの客観性を確認する手法として「Rによるテキストマイニング(単語頻度と共起語分析)」を試行し、この結果および今後の活用についてのアドバイスをいただいた。
インタビューの個別内容について、特に機材品質と作業品質のの可視化可否についての議論を通して、顧客(エアライン)が求めているもののより明確化の指示を受けた。
テキストマイニング手法については、今回の「定性分析」研究においてテキストマイニングで「構造化」データを抽出することは困難であり、まずは、インタビュー内容とコーディングを自身の仮説と対照させて全体像をつかむことを優先してするめる指導をいただいた。
また、インタビュー先として、エアラインとMRO以外の、例えば先行研究著者自身または著者を通して欧米のMRO等に打診の提案をいただいた。
今回先行研究として引用しているドイツの著者にコンタクトし、同論文で紹介されているMROをトライする。

2021年度 第3回ゼミ(2021.4.24)

【研究状況報告:伊藤さん】

半導体製造装置企業におけるサービス事業の重要性として、大手5社の内「東京エレクトロン」におけるサービス事業の取組について発表した。
半導体業界においてもIoTやリモート化の促進が起こることをを予想し、装置内に対応できるデバイスを組込み次世代装置に備え、サービス事業の付加価値を高めていく方向性で動いている事をご報告させていただきました。
今後残りの大手4社の動向を調べるとともに、各社のビジネスモデルやサポート体制、エンドユーザーの動向をつかんでいるのか、又、昨今の半導体不足へのこのレポートの貢献を念頭に置き、進めていくべきとのご指導いただきました。

【研究状況報告:鍵和田さん】

前回の発表で質問及び指摘があった日本の環境規制による企業負担の実態、各国の地球温暖化対策の施策の比較、及び海外直接投資の種類について発表した。
地球温暖化対策税及び石油石炭税の税負担が近年減少している原因として、各産業におけるエネルギー消費のポートフォリオ構成が変化していることも考えられるという指摘があった。今後は、引き続き論文調査を継続するとともに、環境規制の定量化についても検討を始めることとする。

2021年度 第2回ゼミ(2021.4.17)

【研究状況報告:落合さん】

Aviation After Service Business(MROビジネス)についての「インタビュー計画」を確認いただくとともに*、一部インタビュー結果についての初期報告を行い、内容の確認および今後の方向性についてアドバイスをいただいた。
(*3月~4月にかけて個人ゼミ(2回)を実施いただき策定してきた計画の修正版)
インタビューについては今回の事例をベースに、すでにインタビュー済みの他の4件の「テキスト」起こしと分析をすすめ、得られた知見や効果が研究の目的に合致しているかの検証を確認してから次のステップにすすむようアドバイスをいただいた。
また、リサーチフレームワークのRQ2/H2について、今回得た情報と比較して内容が整合しているか再度確認をするようアドバイスをいただいた。特に、RQ2-2「日本の航空機整備事業戦略」とは何を指すものなのか? MROの事業戦略かエアラインの事業戦略か目的の焦点を明確にするよう指示を受けた。
個別のRQ/仮説について、R1-1/H1-1の「品質」については「見えない品質(結果品質)」と「見える品質(書類等産物)」、当たり前品質(Hygiene Factor)と期待品質を明確化した分析をするようアドバイスをいただいた。
RQ1-6/H1-6の「顧客利益重視/顧客共創」については日本と海外では求めるものや評価基準が異なるという事実を前提とした分析をすすめるようアドバイスをいただいた。
その他、ゼミ生からの質問・アドバイスとして、「(日本の周辺に)航空機整備のビジネス需要はあるのか?」「ビジネスにおける顧客側戦略分析の対象として外国のエアラインも入れた方がいいのではないか?」との質問・アドバイスをいただいた。後者についてはコロナ渦で海外エアラインのアウトソーシング形態(管理者の本国への引上げ等)が変わっている状況ではあるが、コンタクトをトライする。

【研究状況報告:原口さん】

オリンピックに関わる企業のイノベーション事例と整理の考え方について発表した。
企業の都合で変更できない、4年毎の明確な期限のあるイノベーションマネジメントが一つの特徴ではないかという意見があった。まずは知りたいことを厳密に書き下し、研究の視点を明確にしていくよう指導いただいた。

2021年度 第1回ゼミ(2021.4.10)

【研究状況報告:原口さん】

オリンピックをきっかけとした地域のアントレプレナーシップへの影響に関する先行研究レビューの発表を行った。
Spilling, O. (1996) “The Entrepreneurial System: On Entrepreneurship in the Context of a Mega-Event”
何をもってオリンピックに起因したイノベーションと言えるか、といった議論をした。研究の中で一番解明したいことを明らかにする端的な研究方法とは何かを(まずは実現性を無視して)検討した上で、作業しながら領域や切り口を絞って実現性を探っていくというやり方が良いのではないかとのアドバイスをいただいた。