Author Archives: hidakasemi

2017年度 第9回ゼミ(2017.7.8)

研究状況報告(発表者:仲里さん)

以下の論文を紹介した。
Tim Baines, Howard W. Lightfoot, (2014) “Servitization of the manufacturing firm: Exploring the operations practices and technologies that deliver advanced services”, International Journal of Operations & Production Management, Vol. 34 Issue: 1, pp.2-35
また製造業のサービス化とその実現のための技術は何か?という視点でのPRテーマついて議論を行なった。日高教授はじめメンバーからは、
・技術は手段であってサービス内容に依存するのではないか?技術を特定して意味はあるか?
・サービス化の程度を示す指標を定義することは可能か?
・ある分野に絞って、数社の比較から始めた方が良い。上記の指標か定義できれば、特許との相関を見ることはできるかもしれない。
のご指摘をいただいた。

研究状況報告(発表者:斉さん)

『SaaSにおける機能追加タイミングの影響要因』を題に発表を行った。顧客とベンダーの行動パターンを入力として、ゲーム理論を用いて、ベンダーが自社のSaaSに機能を追加する適切なタイミングを判断するためのモデル構築できないかと考えた。
先生からは、「研究手法ありきで研究テーマを考えるのは研究の姿勢として適切ではない」、「さらに幅広く情報収集を行い、自分が問題と思っていることは本当に問題なのか、実態がどうなっているのか、といった事実から問題を見つけるべきである」とご指摘を頂いた。

2017年度 第8回ゼミ(2017.7.1)

研究状況報告(発表者:中條さん)

修学旅行の体験活動における感動因子・行動変容」に関するアンケートの回収状況、入力状況、並びにN=53における分析の着手状況についてご報告し、当面の課題である大量データの入力作業、データの解析方法や解析ツールに関して、皆様からご指摘並びにアドバイスを頂きました。

研究状況報告(発表者:秋山さん)
前回の「消費者行動と保険選択」についての考察を深めるため、行動経済学の基本について調べたこと(損失回避行動や参照点、現状維持バイアス、プロスペクト理論、等)を共有した。
また、「地震保険の加入率は毎年増加傾向にあるが、地震発生を目の当たりにした地域の方が、地震保険の加入が促進されるのか」を検証した結果として、「一定の関係性は見られる」事と「地震の結果、加入動機が促進されたものと言えるかどうか?については継続検討が必要である」事を報告し、以下のアドバイスを頂いた。
・今後の分析に際して、保険会社や販売代理店・募集人の行動特性(広告宣伝の有無や、商品ごとのインセンティブの違いなど)の影響を排除する必要がある。
・消費者が自ら購入したいと考えるタイプのものと、勧められて購入検討するタイプのものなど、商品特性の影響に考慮する必要があるのではないか。
・保険の効用をどのように捉えて、測るかについては、過去の研究結果があるのではないか。
・研究テーマとしては、損保に限らず生保も含めてはどうか。
なお、日高先生から、プロジェクトレポートの中間発表に向けた準備として、以下の観点をしっかりまとめるよう指導頂いた。
 ①研究の目的、②重要性とその論拠、③具体的な手法、④計画

2017年度 第7回ゼミ(2017.6.17)

研究状況報告(発表者:角田さん)

前回からのAPに基づき自分の問題意識を感じていた部分に関するデータの調査状況と関連すると思われる論文の調査状況を報告した。
コメントとしてアプローチとしてはベストプラクティス・ワーストプラクティスのような分類を元に進めるのがいいのではないか、目的変数と今のデータから相関を分析する事で知見が得られるのではないかと行ったご意見をいただいた。引き続き具体的なデータを元に調査の方針を検討する。

2017年度 第6回ゼミ(2017.6.10)

研究状況報告(発表者:上田さん)

<整備コストの経済モデル>
エアライン共通の要素である運航パラメータ(年間飛行時間、年間離陸回数、機材のサイズ、機齢)を説明変数として、1機あたりの年間整備費用を算出するモデルを検討し、線形回帰モデルと機械学習の一つであるRandom Forestモデルを適用した。データは米国運輸省が公開しているDOT Form 41の2006年から2015年のデータを使用した。
・コストモデルの検証(モデルの確からしさの証明)
前回から進展がなく、今回もご指摘をいただいた。現行のモデルではCross Validationを用いているが、Cross Validationは予測モデルに対する検証方法であり、私が実データに基づく真のモデルの推定を行う場合はベイズ情報基準(Bayesian Information Criteria)の方が適しているかもしれないため、このあたりの研究を進めることとする。
・コストモデルの発展性について
本モデルを使うことで機材の導入・退役を踏まえた将来の整備コストのシミュレーション、路線別のコストシミュレーションなどに応用することができると考えている。
<コストと航空機の品質に関する仮説検証>
経済モデルをベースに航空機の品質とコストのバランスの考え方について議論した。航空機の品質の指標として定時出発率(定刻の16分未満に出発した率)を使用する予定である。
・指標について
顧客の求める品質と定時出発率の整合性、使用するデータが実態と合致しているか、別の指標は存在しないのか、についてご意見をいただき、引き続き検討を続ける。
本研究はコストモデルを作成することが目的ではないが、研究のベースになる部分なので、研究室のメンバーとの議論等を通じて、十分に時間をかけて検証を行っていく。
日高研に新たに5名の4月入学生を迎えることになった。メンバーが大幅に増員となり、頼もしい限りです。

研究状況報告(発表者:仲里さん)
デジタル印刷機メーカーのアフタサービスについて調査を行い、これまで保守サービスで収益を稼いでいたメーカーがセルフメンテナンスに移行しつつある現象について議論した。日高先生はじめメンバーからは以下の指摘をいただいた。
印刷機メーカーのプロダクトとサービスの収益構造について客観的なデータを基に議論すべきである
セルフメンテナンスに向かう産業とそうでない産業の比較分析はレポートとしてありうる
サービス部門の意思決定者に話を聞けるなら聞いてみると違った視点が得られるかもしれない。
・所属企業の状況を鑑みて、直接経営に示唆を与えるような緊張感を持ってレポートに取り組むべきであり、その内容でテーマを深掘りした方が良い。

2017年度 第2回サービス科学研究会(2017.6.3)

講演
講師: Cristian Mejia (Kajikawa laboratory. Ph.D. candidate) Tokyo Institute of Technology Grouduate School of Inovation Mnagement
テーマ:「Assessing the Sentiment of Social Expectations of Robotic Technologies」
発表概要:
In this presentation I shown the relationship between social attention in technology news and the production of academic research through the use of tools related to Gartner’s Hype Cycle. The objective is the creation of an indicator for early detection of emerging technologies in the service robotics. From the participants I could gather the following feedback:

  • While for some technologies, social attention precedes academic research, it cannot be neglected that seminal ideas appear first in academia.
  • It would be necessary to also discuss what kind of technology components, or characteristics, help service robotics reach the market successfully.

2017年度 第5回ゼミ(2017.5.27)

研究状況報告(発表者:斉さん)

採用活動におけるソーシャルメディアの活用に関する現状調査を題に発表を行った。
人事管理領域(HRM)におけるビッグデータ、ソーシャルメディアの用途、メリット、デメリットについて調査とまとめの論文を紹介した。先生からはこのテーマに対する研究動機がはっきりしないため、さらに広範囲で情報収集を行い、どうしても解明したいことはを見つけ出してテーマにすべきとのご指摘をいただいた。
自分自身も今回の内容に関して自分にとっての研究意義がはっきりしないため、今後さらに情報と知識の収集を行い、方向性を明確にしたいと考えている。

研究状況報告(発表者:秋山さん)
論文「消費者のリスク認知の性質と保険選択行動」を紹介した。
ここでは、消費者の保険選択には高確率リスクに偏る逆選択的傾向が見られること、また、テロや機械トラブルといったリスクの具体性や明確性に影響されて増大して認知された保険の価値を著しく増大させる結果となったことが示されている。
この論文をベースとし、
・この消費者の認知の性質と保険選択行動がなりたっていることの検証
・どういう保険商品が消費者行動にマッチするのか。
・消費者行動にマッチさせるための効率的な認知のさせ方はあるのか
など、今後の研究の方向性について議論した。
消費者行動論において、保険は形がないところが特殊である。
行動経済学や、応用心理学、プロスペクト理論などについて、まずさわりは見たほうが良い。
修士の期間で研究できるものとして、具体的なデータをもとに分析するのが重要である。
例えば地震保険に関して、地震と地域のデータを分析する。熊本地震による加入者増加の影響は熊本のみなのか九州全般かなど。
仮説を作り確実に言えてそして意味がある事を調べていくのが良いとのアドバイスを頂いた。

2017年度 第4回ゼミ(2017.5.13)

研究状況報告(発表者:仲條さん)

本研究のフレームワークと、仮説の構築に関する方法論についてアドバイスを頂きました。本研究の最終目的は人間の体験と感動、成長の可視化とそれらの相関を解明することで、人間の豊かな感動、大きな成長を誘引する価値ある体験のデザインを可能にすることです。
そのためにはできるだけ多くのデータを集め、統計処理をすることで、これまで凡庸としていた人間の感性の動き、心理や行動の変容を科学的に説明することが必要だろうと思います
また、LuschVargoが主張する共創価値の原理に基づいて、自らのオペラント資源を積極的に投入することで体験価値を高めることができること、あるいはPineGilmoreの言う4Eの領域で、経験価値が高められることなど、著名な先行研究を支持する結果を得ることで本研究の有用性を実証したいと考えています。

研究状況報告(発表者:角田さん)

前回からのAPに基づき移動体通信に関する技術の変動の動向と自分の問題意識を感じていた部分に関してホワイトボードに図を書く形式で発表を行った。
コメントとして、仕様策定の中ではじめから全て決まっておらず、曖昧な部分があると実装の段階での変更の通知が煩雑になってくるのではないか、DevOps形式との比較の観点からの調査ができるのではないか、暗黙と行っている内容は実はドキュメント化で解決できるのではないか、仕様策定の中で変更容易性に差があるのではないか、他業界での場合などのご意見を頂いた。
また、問題設定に際して、例えば育成に関する投資の場合は従業員側での期待が大きすぎるのか、実際に投資額が小さいのか、と事実を明確にする点、比較を行う際に部署間や時間軸などの設定を意識するようご指導頂いた。
次回のポイントとして、引き続きより詳細に誰が何をどのような情報をやりとりする際に問題となるかを図を書いて考える。またその結果に基づき先行研究の調査を行う。

2017年度 第3回ゼミ(2017.4.29)

研究状況報告(発表者:上田さん)

エアラインにおける航空機の品質と整備コストとの関係性について発表を行った。整備コストはエアラインのコストファクターの第3位であるが、それが決定される要素を解明し、コストモデルを作成するとともに、航空機の機材の品質に対するエアラインのポリシーがどのように整備コストに反映されるのかを検証することを研究テーマとする。
今回は線形モデルと機械学習モデルを用いたコストモデルを紹介と、品質とコストの関係に関する仮説の説明を行い、品質の指標のひとつとして航空機の定時出発率を用いることについて紹介した。
先生と研究室の皆さんから様々なご意見をいただいた。
・サービス品質という言葉はCustomer品質であり、航空機材の品質はProvider品質なので区別すること
・コストモデルの検証を丁寧におこなうべき
・品質と安全性との相関について補足が必要
・定時出発率と品質との関係について補足すべき
また、プロジェクトレポートを作成するだけでなく、大学で学習できる機会を活用して、より幅広い研究を進めるとよい、とのアドバイスをいただいた。

2017年度 第2回ゼミ(2017.4.22)

研究状況報告(発表者:仲里さん)

商業デジタルプリンタにおける保守サービスの料金体系について発表を行なった。商業印刷市場では、デジタル印刷機は主流であるアナログ印刷機の補完的役割であるがデジタル印刷機の普及を阻害する要因として保守サービスの料金体系があるのではないか、そうだとすればなぜこのような料金体系になっているのか、ということを議論した。先生をはじめ、皆さんからは、
・阻害する要因について他の要因についても考察が必要
・保守サービスの料金体系については、印刷業者とその顧客を含めたバリューチェーンを考慮すべきであること
・印刷業者内の意思決定プロセスを考慮すること
というアドバイスをいただいた。

研究状況報告(発表者:秋山さん)
研究テーマ選定に向けて、比較検討を行うためのパラメーターを検討している。
・海外の保険販売チャネルの動向
・日本のEC取引の動向と損保ダイレクト販売の趨勢
・生損保相互参入の変遷
について紹介し、「保険に加入する動機」「望まれている保険加入チャネル」について議論した。
「なぜ保険に入ろうと思うのかについて、どのデータを付き合って何を調べたら言えるのか。保険項目そのものではなく、人の寿命や、家族に対する意識とか、そういう人間の何に対応しているのかが見えないだろうか。」や、「マーケティングの消費者行動論について保険に関するものを調べてみたらどうだろうか。」といったアドバイスを頂いた。