Author Archives: hidakasemi

2017年度 第18回ゼミ(2017.10.13)

研究状況報告(発表者:友野さん)

これから研究をすすめるあたって自身の興味関心分野の学術知識を充実させるため先生より課せられたExercise2の形式に沿って仮テーマ設定と学術分野の特定、読むべき文献リストの作成を行った。
まず自身のこれまでのキャリアを振り返り、研究の原点やモチベーションを確認した上で現在の仕事と関連付けながら問題意識の整理を行い、仮テーマを以下のように設定した。
「システム開発におけるモデリングに関する考察」
このテーマに関連する学術分野としてソフトウェアエンジニアリング、モデル駆動工学(UMLを含む)、サービスサイエンスなどをあげて各分野のレビュー論文(systematic literature review)を中心に読むべき文献のリスト化作業を行っていることを報告した。
日高先生からは目的意識はある程度範囲が絞れているとのことで調査研究の進め方として、UMLの使われ方(利用状況)を測る指標や尺度を考えること、テーマを構成する概念を細分化してそれぞれを個別に探求し本質を理解する方法などについて貴重な助言をいただいた。特に後者については研究としては遠回りになるかも知れないが、重要なことととしてBikeSharingという言葉を例に丁寧にご説明頂いた。
ゼミメンバーからはシステム開発系のバックグランドがある方を中心に、UMLの各Diagramの利用状況やモデリングの利用方法などについて研究のヒントになりそうな意見、コメントを多数いただいた。
今後は作成した文献リストからの知識習得に平行して、先生及びゼミ生からフィードバックされた内容についても考えていきたい

研究状況報告(発表者:佐藤さん)

プロジェクトレポートのテーマに関して発表。内容は、個人的な興味として元々持っていた、サービス業におけるイノベーション創出の方法に関するものである。本や論文などを読んで深めていくべきとの指摘をいただいた。

研究状況報告(発表者:油布さん)
発表内容:Excercise 2-1
調査を進めていく中で変更する可能性もあるが、テーマ(仮)の概要と調査方法について簡単に説明した。
テーマ内容は製造業のグローバル化に於いて、ICTが開発効率化にどの様に寄与するか調査研究 したい。関連する学術領域は経営戦略とICT関連技術の2領域を考えているが、テーマは広い範囲の為、具体的な絞込みを段階を経て実施する。今後は最先端の議論がある文献で調査方法を学ぶ。

2017年度 第17回ゼミ(2017.10.3)

研究状況報告(発表者:上田さん)

興味を持っている学術分野を、サービス科学の中のサービス・マーケティングとしてとらえ、Service, Quality, Costをキーワードとして文献・論文を探索し、Parasuraman, Berry, ZeithamlのGap Model、Zone of Tolerance、SERVQUAL、JohnstonのDelight & Dissatisfactionとサービス品質の18要因を紹介するとともに、Customer Experienceの事例を加えて顧客とのTouch Pointをベースにサービス品質を分類した上で、サービスのHygiene Factor(衛生要因)について考察した。
Hygiene Factorは、良くて当たり前のサービスで、不足すると不満を感じさせるサービス品質要因であり、あれば顧客を満足させるが、なくても大きな不満要素にはならないEnhance Factorとは性質が異なっている。サービス研究はEnhance Factorに関するものがほとんどで、Hygiene Factorとコストに関する研究は少ないが、交通、エネルギー、通信などのインフラ業界ではHygiene Factorを満たすために過剰なコストが投じられている可能性があり、エアラインを事例にこれを検証してみたいと考えている。5Gによる自動運転などが始まると通信インフラのHygiene Factorはより高まる一方で、コスト管理も重要性を増してくることが考えられ、多方面での応用が可能である。ただし、衛生要因という表現には違和感があり、Critical Servicesという表現を使ってみようと思っている。
サービス品質として上述のParasuramanらの方法以外に、狩野モデルがあることを提示いただいた。サービス品質は顧客満足とサービスとの比較で、目に見えづらく、仮説を立てて推論を立証することが必要であり、Gap Modelなどを安易に利用するのではなく、自ら論理展開することがMOTでは大切なことであるとご教授いただいた。また、サービスを比較選択する上では、AHP(Analytic Hierarchy Process; 階層分析法)が有用であること、Customer Experienceのひな型としてCustomer Journey Mapがあること、サービスを考える上ではContext(航空であればビジネスクラスとエコノミークラスの顧客の期待品質の違いなど)も重要な視点であることなど、多くの示唆をいただいた。
参考文献
Berry, Leonard L., A. Parasuraman, and Valarie A. Zeithaml. 1990. “Delivering Quality Service: Balancing Customer Perceptions and Expectations.” The Free Press
Berry, Leonard L. and A. Parasuraman. 1992. “Marketing Services: Competing Through Quality.” The Free Press
Johnston, Robert, Graham Clark, and Michael Shulver. 2012. “Service Operations Management.” 4th ed. Pearson.
近藤隆雄 2012 「サービスイノベーションの方法と理論」 生産性出版

研究状況報告(発表者:仲里さん)
オフィスにおける紙出力の選好と紙出力行動の関係を調査するという内容で発表した。以下の点について考慮が必要であることをメンバーから指摘いただいた。
・仕事量の増加分を考慮した紙出力量の正規化
・組織内での文化・習慣の影響
・IT化が進んでいる企業内での調査が望ましいのではないか。
・部門間での違いや、一人の作業の時間軸(時系列)での分析もありうる。
また、日高教授からは、かなり詳細な調査画必要になるが、東工大を対象にした調査もレポートとしてはありうるとのコメントをいただいた。次回までに方法論を検討する。

2017年度 第16回ゼミ(2017.9.27)

研究状況報告(発表者:角田さん)
5G標準化活動の観点から再度更新した研究計画に関する発表を行った。
技術の対象として自動運転技術など具体的な事例に絞った方がいいのではという点や、経営学の観点での先行研究の必要性をご指摘いただいた。
また前回からテーマを変えていた点から自分の問題意識との関連性はあるのか、というご指摘をいただいた。
次回へ向けてデータベースの構築及び分析を継続して行いつつ、問うべき問題点に関して引き続き考察を行う。
研究状況報告(発表者:斉さん)

ERPカスタマイズの意義と必要性に関しては、さまざまな議論があるが、文献調査からわかった内容として、組織ニーズとERPパッケージの機能性の間に存在するMisfitの問題を解消し、ERPのビジネス効果を最大化するためには、カスタマイズが必要であり、実態としても多く行われていることを紹介した。
しかし、普及が進んでいるクラウドERPではカスタマイズを実施しにくい特性があるため、misfit問題による影響がより広まる恐れがある。
本発表では、自社製品のサービス化に向けて、いかに迅速に顧客ニーズを収集し、タイムリーにサービスに取り込むのかを問題意識として取り上げ、主要ベンダーにおける顧客ニーズの収集手段及び優先順位の付け方を調査することを研究の方向性として説明した。さらにパートナーA社のユーザ会の事例を紹介した。
先生からは、理論知識の構造化に努めるべきこと、研究の社会意義を明確化すべきことについてご指摘を頂き、また、今後の方向性として、企業ソフトウェアの調査、比較及び差異要因に対する考察と、ユーザーコミュニティの役割に対する考察の2つの方向性を提示していただいた。

2017年度 第15回ゼミ(2017.9.20)

研究状況報告(発表者:秋山さん)

中間発表の内容、その際の各先生からのコメント、および社内で聴取した意見を紹介した。今後は、募集チャネルによって勧め方に違いがあるのではないか?も調べた上で仮説を明確にし、10月にインタビュー、11月にそれを踏まえた分析をしようかと思っている。可能であれば代理店から顧客に関する情報収集の協力も取り付けたい。なお、販売チャネルごとの差は、他の保険と比べるとあまり無い気がする。チャネルによる違いがもし何か見えれば、それはなぜかという話になるのではないかと考えている。
先生およびゼミ生から今後の進め方についてアドバイスいただいた

  • インタビューについて構造化とか半構造化があるので、勉強して練習した方が良い。
  • 生データを取得した場合に、その属性は非常に大事。よって代理店ごとの属性に着目し、言っている事実と属性との関係をみる必要がある。インタビューの数が取れれば、その傾向を見ることができる。
  • レポートの成否は、分析をいろんな切り口でやって引き出せるかどうか、新しい知見が見つけられるかどうかにかかっている。インタビューだと行かなきゃいけないので、アンケートの方が効率的ではないか。
  • 地域によって加入率に差があるという話があったと思うが。因果関係を見つけるのは難しい気がする。どういう仮説を立てるかがまず先ではないか?

2017年度 第14回ゼミ(2017.9.13)

研究状況報告(発表者:道越さん)
自身のキャリアを振り返ることを通じて、研究テーマ設定に向けた自分自身の問題意識を整理しようと試みました。
実際に問題意識を研究テーマにつなげることの難しさを体感することができ、先輩方の研究テーマ設定に苦戦している様子に関して納得できたと感じています。
問題意識がマクロな傾向があるので、具体的なテーマ設定につなげることが難しいのではないかと考えました。一方で、自身の仕事に通じるのではない、研究らしいテーマ設定をしたいということを感じているので、当面は「スポーツ×テクノロジー=イノベーション?」を軸に、Research Questionを具体的にしていく活動を実施していきたいと考えています。
研究状況報告(発表者:仲條さん)

8月23日に実施したプロジェクトレポートの中間発表に対する各先生方からのコメントのレビューをしました。日高先生からは改めて細部にわたるご指導と解説をして頂きました。
梶川先生
☑定量的に分析することで相関やメカニズムを明らかにすることはできない。メカニズムを明らかにするには論理的な思考と深い洞察力が必要。
☑従来型の関西のお寺でも格差、平和等にたいする気付きを与える修学旅行の設計も十分可能。
☑問題や課題に気付かせようとすると随行教員のファシリテーションの能力、事前事後の学習内容等を分析していかないといけない。
辻本先生
☑自己効力感は重要な概念なので定義も調べる必要がある。
☑成長の評価は時間差もあるので難しい。その瞬間に感動しても本人の認知でどれだけ回答できるのかという事情もあるので注意が必要。
☑修学旅行のみ紐付けるのであれば少し制約が強くかかる。見ているのが擬似相関の可能性もある。修学旅行の中でグループを組んで、リーダーシップを取った経験の方が効いてたりする可能性もある。
☑統計上の前提を明らかにしておくこと。(母集団、サンプリングバイアス、相関係数の有意性、検定結果等)
藤村先生
☑NHKが実施したクラスタ分析によって抽出した感動因子を、今回の研究で流用することの妥当性を検証しているのか。

2017年度 夏季集中ゼミ(2017.8.19)

2017年度の夏、日高研究室では夏季集中ゼミを、東工大のすずかけ台校舎で開催しました。各自の研究の進捗や、興味のある分野の発表を行い、賑やかで、有意義なゼミとなりました。また、今回はOBの東さん、藤田さん、荒木さんも参加され、ゼミ修了後は、懇親会がOBを含めて行われました。


  • 集中ゼミ

日時:8月19日(土)
場所:東工大すずかけ台校舎


発表者:秋山さん
プロジェクトレポート中間発表会に向けて「日本の保険選択行動に関する考察」の発表を行った。経済合理的に成立しているはずの保険も種目によって加入率に差があるため、人はどのような時に保険加入を選択しどのような時に選択しないのかという研究目的や研究の重要性、および地震保険に焦点をあてたリサーチフレームワークについて説明した。
日高先生やOB、ゼミ生から以下のような助言を頂いた。
なぜその仮説を導いたのかをきちんと固めた方が良い研究となる。
・ノーロス・ノープロフィットの地震保険では、一般的な保険商品と特性が異なるのではないか。
・研究の意義、面白さが建前的なので、もっと具体的に述べたほうが良い。
・住宅の構造レベルとの相関や地域との相関など、どのような要因を抽出して分析できるかによって研究としての面白さが変わってくるものである。


発表者:天羽さん
「エネルギー」及び「サービス」をキーワードに過去プロジェクトレポート及び論文調査を実施。その中から「What do customers want from improved residential electricity services? Evidence from a choice experiment」(Sung-Yoon Huhhら:Seoul National University)の論文レビューを実施。東工大で行われているエネルギー関連実証プロジェクト等も含めて今後も引き続きエネルギー関連の調査を実施していく。


発表者:上田さん
課題論文として、”An Analytical Framework for Value Co-Production in Services” (Karmarkar & Roel, 2014)を選択した。
ゲーム理論をベースとしたアプローチは興味深かったが、フレームワークとして使えるかどうかは議論の余地があるようだ。サービス品質を考えるうえで、参考にしたい。


発表者:斉さん
『人事給与ERPにおけるリプレイス発生要因の分析』を題に発表を行った。人事給与ERPを販売導入しているSIerにて、どういった競争力がユーザの購買要因、継続使用要因に相当するのかを判明することを研究目的として考えた。社内の顧客満足度調査によってSIerの競争力を洗い出し、SEへのヒアリングを通じて、ERPのリプレイスが発生した際に、リプレイスされる側のERPに対するユーザの不満を聞き出すことで、購買、継続使用につながる要因を特定する手法を提案した。
OBと在学生の方からは、「クラウドが普及し、SIビジネスが衰退するのは今後のトレンドであるにもかかわらず、SIerの競争力を研究する価値があるのか」、「自動化、標準化は盛んになっている今、カスタマイズを研究する意味があるのか」、「人事・給与分野ERPに強い競争力が必要なのか」、「自社製品の調査で一般性が欠けるのでは」といったご指摘を頂き、議論を行った。
先生からは「ERPリプレイスに関する意思決定の際に、上層部の意思が多く入ってくるので、社内のSEに聞くだけで本当のリプレイス要因を聞き出せるのかは疑問」、「いずれの研究手法にせよ、説明の論理性が重要である」とご指摘をいただいた。


発表者:佐藤さん
論文「Service Research Priorities in a Rapidly Changing Context」に関し、研究の糧になる個所の説明


発表者:中條さん
中間発表に備え実際の持ち時間でプレゼンの予行練習を行った。資料は下記の通り作成した。
タイトル: 修学旅行における体験活動と感動因子・成長因子の定量的分析
構成: 概念定義、現状と背景、問題提起、研究の目的、研究の意義・重要性、仮
説設定、研究手法、先行研究、調査設計、限界並びに制限、サンプル調査による分
析結果例
日高先生から下記のコメントを頂きました。
1.最大でPP15枚程度に再編集すること。
2.現段階で根拠に疑念がある分析結果の発表は控えること


発表者:友野さん
日高先生から紹介された以下タイトルの論文を読み、概要の紹介と考察を行った。L. Lessard (2015) / Modeling Value Cocreation Processes and Outcomes in Knowledge-Intensive Business Services Engagements(知識集約型ビジネスサービス(KIBS)における価値の共創プロセスのモデル化)
残りの時間で今後の自身の研究テーマの方向性と予定について話をした。日高先生および各メンバーの指摘から、自身の問題意識の掘り下げの甘さを痛感した。関心領域を中心に情報収集を継続し研究テーマを探求していきたい


発表者:角田さん
課題論文として ”Assessing the Value of Process Improvement by Means of Service Imperfections and Value-Leaks: The Case of a Large Scale Municipality Contact Center “ を選定し、内容の概説を行なった。論文にて提案されているValue leaks及びService Imperfections の概念に関して再度確認する。


発表者:仲里さん
製造業のサービスの種類と財務データの分析によって、製造業のサービス化の成功要因を抽出することについて発表した。しかし、財務データとのひも付けは難しい点、データ収集が実現困難である点を先生はじめメンバーの方々から指摘をいただいた。
テーマの見直しも含めて今後の進め方を検討する。


発表者:道越さん

マレーシア・シンガポールで体験したサービス体験(Uber)の共有と「社会科学の考え方(名古屋大学出版会)」の内容整理・報告を行いました。
特に後者は、Exercise1でプロジェクトレポートを読んだ際に感じた、調査・研究手法がインタビューやアンケートに偏っていたという印象を受けて、例えば社会実験を行うとしたらどのような手法が存在するかなど、視野を広げるのに役立ったと考えています。

発表者:油布さん
グロービス経営学院( MBA)の一年目の必修科目の中から、下記の 3 分野から総点検の意味を含め抜粋しました。
マーケティング、アカウンティング、ファイナンス
また、製品開発に必要なテーマとファイナンス理論を中心に、発表させて戴きました。個人的にMBA の基礎的な体力を向上させることで、今後の研究にも生かしたいと思います。

2017年度 第12回ゼミ(2017.7.29)

研究状況報告(発表者:角田さん)

自分の問題意識を感じていた部分をダイナミックケイパビリティに関する議論の調査をもとに発表した。
各要素の定義、および課題設定が明確でないとのご指摘をいただいた。
再度具体的なデータを元に問題設定と調査の方針を作成する。

研究状況報告(発表者:上田さん)

前回の発表で航空機整備コストの経済モデルの確からしさの課題を指摘された。
ゼミの皆さんには申し訳なかったものの、以下の統計学の初心者的なレビューを発表させていただいた。
・記述統計/推測統計/回帰分析/回帰モデル
また、回帰分析における諸問題として、
・自己相関
・不均一分散
・多重共線性
・定式化の誤り
があることを紹介した。これらの諸問題が現在のコストモデルに内在しているため、今一度モデルのパラメータを再検討することとする。加えて、リサーチクエスチョンが明確にできていないため、品質とコストについてさまざまなご質問をいただいた。
研究の目的を再度見直して検討を重ねていきたい。

2017年度 第10回ゼミ(2017.7.15)

研究状況報告(発表者:川本さん)

テーマ:「高等教育におけるサービス品質評価に関する研究」研究の背景や目的を説明し、質疑を受けた。その後、LXの概念抽出に関する研究の結果報告を行ない、質疑を受けた。LXの概念はやはり理解されにくいこと、研究に不足しているところがわかり、今後の研究方針が見えた。