2021年度 第7回ゼミ(2021.5.22)

【研究状況報告:落合さん】

プロジェクトレポート「Aviation After Service Business(MROビジネス)」について
「インタビュー記録」(4人分)および現段階での関連仮説/得られた知見を紹介した。
ゼミ中にいただいたアドバイスは下記のとおり。
・得られた(インタビュー)データをどのように分析するかが重要である。語られたデータが「事実」なのか「意見・意思」かを明確化すること。「意見・意思」については事実に基づいた論理的なものであるか見極めること。
・客観性と主観性の違いを頭に置きながらデータコーディングをすすめること。
(例)日本におけるAviation Businessが発展しない理由のひとつに「英語力」がありうるという考え方について…客観的事実かインタビュイーの個人的見解か等を見定める 等
・複数インタビューで、同一の意見から見いだせること、異なる意見についてはその背景を考えていくことがさらに深い考察につながる。
・仮説検証の妥当性について、定性分析における立証検証は定量分析におけるものと異なり、最終的には研究者の判断となるが、その判断には論理性と納得性が必要である。
・MROビジネスが航空機ビジネス(航空輸送産業)に与える影響およびMROビジネスの役割を明示すること。この必要度が日本でのビジネス方向性を見定める指針となりうる。
・現段階では
-仮説2「コスト競争力」仮説3「整備生産力」が発展のためのキーとなりうるとの見通しがあるが、これらを「テクノロジー」の深化によって解決する方向の議論があるかどうかを盛り込むとよい。
-また仮説2「コスト競争力」については、ある意味では低労働コストを原資とする「格差ビジネス」という面でとらえることができる。STGs経営が求めれる現代・将来においてこの構造がどのような見通しとなるか、(少なくとも)考察等に加えていくことも考慮することが望まれる。

その他個別内容について
・本議論の前提としてMROビジネスの航空機整備(ライン・点検整備)、部品整備(エンジン、コンポーネント)の分類および今回のスコープが点検整備(格納庫整備)であることを明示すること。
・ビジネスに対する国家政策の方向性、支援の重要性が想定される。このあたりの調査をどのようにすすめるか検討すること。
・引き続き残ったインタビューをすすめながら、個々インタビュイーが仮説に対してどのようなスタンスでいるかの表の作成をすすめていくこと。