2018年度 第8回ゼミ(2018.5.29)

研究状況報告(発表者:上田さん)

当たり前サービス品質の影響による顧客流出コストを測るために、プロスペクト理論と狩野モデルを使ったYoshimitsuら(2008)の論文を参考に、航空の遅延と不満足度の関係を定式モデル化し、このモデルと航空機の整備コストモデルを融合して当たり前品質とコストのトレードオフ関係を表現した。
しかしながら、2つのモデルのコスト単位が標準化できていないため、単純な足し算ではトータルコストを見積もったことにはならず、トレードオフ関係の解説に至ることはできなかった。加えて、品質モデルに必要な実証に関するご指摘もいただき、これらは期日内には難しいことを認識した。
プロスペクト理論による経済損失モデルの導出は興味深いが、すでに品質とコストのモデルに一定度目途をつけているため、今夏のプロジェクトレポートでは今後の課題として取り扱うことにしたい。

研究状況報告(発表者:道越さん)
プロジェクトレポートテーマの絞り込みを検討し、会議の調整のためのコミュニケーションコストが高まっているか?というテーマに関して内容の掘り下げを実施し、みなさまにご意見をいただいた。
会議は一概に悪いとは言えない。会議の質をどう捉えるかが重要であるまた、テーマにあげた「コスト」とは何を指すかをより厳密に定義しなくてはならない(時間か、金か、工数か等)会議と何らかの対象の関係性について掘り下げると意義がより出てくるのではないか、例えば組織構造の階層数との相関性があるか
また、日高先生にIBM(米国)の事例を共有いただいた。
これまでリモートワークを推進していたが、近年、同じ場所に集まることに方向転換した。
「今までは仕事で《何をすべきか》がわかっていたために、リモートでマネジメントできたが、複雑さが増したことで、《何をすべきかがわからなくなってきた》結果、リモートマネジメントが困難になったのではないか
HowからWhatへの転換がそこには起こっているのではないか?
次回に向けて、こうした情勢も含めて、報告した内容に関してどのように具体的に掘り下げるかを検討する