2017年度 第3回サービス科学研究会(2017.12.9)

講師:ケン・ヘイグ (博士)日本オラクル株式会社 オラクル・ユティリティ・グローバル・ビジネス・ユニット (UGBU) 渉外部 ディレクター
講演内容:2016年に採択された、京都議定書に続く温暖化対策を定めた「パリ協定」において、日本では2030年度までに、温室効果ガスの排出量を、2013年度比26%削減 する目標を掲げている。特に家庭部⾨では、約40%という⼤幅な排出量削減が必要と言われている。この目標の達成には、従来の取組の延長では実現が困難と考えられ、革新的なイノベーションによる解決が求められる。
全ての家庭をリーチし、分散する個々の一般家庭の小口需要を束ね、大きな省エネ・CO2削減効果を実現するためには、エネルギー供給事業者が持つ各家庭のエネルギー使用データと、各家庭との継続的関係と信頼関係の活用が不可欠である。一方で、自由化市場による競争に対し、エネルギー供給事業者にとって顧客流失の歯止めと顧客忠実度を生み出す為には競争力の高いマーケティング戦略や価格以外の付加価値、顧客への新しい体験の提供が必要。先進的な公益事業社はスマートメーターの導入による顧客への提供サービスの差別化、顧客のニーズに合った機能、顧客との接点と新たな収入源を開発し取り揃えている。
本講演はオラクルの海外公益事業社パートナーの経験事例を通して、競争市場戦略の鍵となった秘訣を説明する。